ピッカラ最終回

    Category : ものがたり



    きれいなハットに気分を良くしたピッカラは、

    「ただいまー!!」といつもより大きな声で家に着きました。

    ピッカラの元気な声にお父さんもお母さんも驚きながらもうれしくむかえました。

    「あら、きれいなハットねえ。ピッカラ」とお母さん。

    お父さんは「とてもよく似合っているよ!!」とほめてくれました。

    ピッカラは、森での出来事をお父さんとお母さんに話しました。

    それから、ピッカラは学校に行くにも、町に出かけるにもいつもこのきれいなハットと

    いっしょでした。

    学校へ行くと、ハットに気づいた子供たちがうれしそうによってきます。

    「とてもきれいなハット。ちょっと貸してよ。ピッカラ。」といい、子供たちは

    ピッカラのハットを被ろうとします。しかし、長い耳がじゃまになって似合いません。

    耳が短いピッカラだから似合うのです。


    町にいくと、町の人たちがちらちらと視線を感じます。

    しかしその視線は以前のものとは違って、なにか見とれてしまうような、幸せなものをみつけた

    ような視線です。

    「このハット、どうしたの? とてもすてき!」と何回も声をかけられました。

    そしてみんな被ろうとして長い耳がじゃまになって似合わないとわかると、

    とても残念そうに去って行きました。


    ピッカラにとっては、初めての感覚でした。

    いつもお家以外では、短い耳のことであまり良くない視線を向けられ小さくなっていました。

    それが今では、みんなが幸せそうな笑顔で、あこがれのような視線を向けてきます。

    ピッカラは、このきれいなハットが笑顔を呼び、みんなを幸せな気持ちにしていると

    思いました。そしてなによりピッカラ自身がとても幸せな気分になっていることに気づきました。

    それから、

    「みんなにもこの幸せな気持ちをわけることができれば、どんなにすばらしいことだろう!」

    と思いました。

    その思いを持ち続け、大人になったピッカラは町でとても評判の帽子屋さんになりました。


    おしまい

    つかれた。


    ピッカラのつづき

    Category : ものがたり


    ピッカラは、森の中の花畑に行きました。

    そこは、ピッカラのお気に入りの場所でたくさんの花が咲いたり、

    珍しいエメラルドグリーンのチョウが飛んでいます。

    気持ちよくなって、一眠りしだしました。

    すると、いままで青かった空が雲に覆われはじめ雨が降り出しました。

    ピッカラはあわてて起きてその場を去ろうとすると、チョウがやってきました。

    急な雨にチョウも困っていました。

    「ピッカラ、そのハットを中で、雨宿りさせてくれない?」

    「もちろん」とピッカラは答え、チョウをハットの中にかくまい、

    自分も急いで近くの木まで走って、雨宿りしました。

    通り雨だったんでしょうか?しばらくすると再び青空がもどってきました。

    「もう、雨があがったよ。チョウチョさん」ピッカラはチョウをハットの中から

    出してあげました。

    「とても助かったわ。ピッカラ。ありがとう!!」

    チョウは喜びながら、ハットの上をりん粉を落としながらクルクル飛び回りました。

    そして、ピッカラに笑みを浮かべて花畑のほうへ飛んでいきました。

    ピッカラもそろそろ帰ろうと思いました。

    帰り道、さっきの雨でできた水たまりを見つけました。

    ピッカラは、ハットを被っている自分はどんなかな?と思い、水たまりをのぞき込みました。

    水たまりをのぞきこんだピッカラは、しばらく声もでないほど驚きました。

    そこには、とてもきれいなハットが映っていたのです。

    カエルからもらった金のブローチが輝き、親鳥にもらった虹色の羽根が風にゆらゆら揺らいで

    います。そして、黒かったハットの色がチョウのりん粉でエメラルドグルーンになっていました。

    「こんなにきれいなハットは見たことない。なんてきれいなんだろ。」

    と、ピッカラはうれしくなり帰りました。


    つづく・・・

    ピッカラのつづき

    Category : ものがたり



    ハットを被り、しばらく森を散策していると、前からとてもあわてたカエルがやってきました。

    「あっ、ピッカラ! 助けてくれ!!」とカエルはすごい勢いでいいました。

    「どうしたの?」とピッカラは尋ねました。

    「ヘビに追われていて、かくまってほしいんだ!!」カエルは、その場でピョン、ピョン

    跳ねていいました。

    「う〜ん。かくまってほしいって言われても・・・、

    あっ、そうだ! 僕のハットの中に隠れなよ。」

    と、ピッカラはカエルをハットの中に隠しました。

    ピッカラは耳の短いウサギです。ハットの中は、カエルが隠れるには、

    ちょうどいいスペースがありました。

    しばらくして、細長い舌をせわしなく出し入れしているヘビが行ってしまうと、

    「もう行ったよ。」と、ピッカラはカエルを外に出してあげました。

    「ありがとう。ピッカラ。助かった。お礼にこれをあげるよ。」

    ピッカラは、カエルが池で拾ったきれいな星形のブローチをもらいました。

    ピッカラは、さっそくハットにそのブローチをつけ、気分よく歩き出しました。

    またしばらく歩いていると、鳥の卵をみつけました。

    その卵は今にもふ化しそうです。上を見上げると、鳥の巣があって、親鳥が他の卵を

    温めていました。

    ピッカラに気づいた親鳥は、

    「ちょうど、よかったわ、ピッカラ。ちょっとその卵、温めてくれない?

    私は、他の卵を温めていて手が離せないの。」といいました。

    「僕に、卵を温めるなんて無理だよ。」ピッカラは、不安そうに言いました。

    「きっと、あなたなら大丈夫。いいハットを被っているじゃない?」

    親鳥は、ピッカラを信頼しているようにいいました。

    ピッカラは今にも泣きそうな顔をしながら、こわごわ卵をハットのなかで温めました。

    木の側で、卵が落ちないように背筋まっすぐにして座っていると、上の方では、

    「ピヨ、ピヨ!!」と聞こえだしました。親鳥が温めていた卵がつぎつぎにかえっています。

    うれしい反面ピッカラは、とてもプレッシャーを感じます。

    やがて、ハットの中の卵もピキピキ鳴りだし、卵がかえりました。

    「ピヨ!ピヨ!ピヨ、ピヨ、ピヨ、ピヨ、ピヨー」

    ピッカラは、喜びのあまりヒナを落としそうになりましたが、そっとハットからヒナを

    取り出し、親鳥に渡しました。

    「とっても元気な赤ちゃん、ピッカラ、ありがとう!!」と親鳥はピッカラにお礼をいって、

    りっぱな虹のような鳥の羽根をハットに飾ってくれました。


    つづく・・・


    ピッカラのつづき

    Category : ものがたり


    今日もからかわれたピッカラは、森に行くことにしました。

    ぼんやり歩いていると、木になにか黒いものが引っかかっているのに気づきました。

    「何だろ?あれ?」

    と、近づいてみると、ハットが木に引っかかっていました。

    「このハットは1週間くらい前に、旅人が忘れていったものだよ。

    きっとその旅人はもう戻って来ないからもらっちゃえば。」

    木がピッカラに言いました。

    ピッカラは迷いましたが、これなら短い耳も隠せてちょうどいいな、と思いました。


    なんとなく疲れたのでつづく・・・

    耳なしウサギのピッカラ

    Category : ものがたり
    ここ数日は暖かいです。空も青い日が続いています。

    療養中の身には助かります。

    ものがたりを考えてみました。決して暇を弄んでいるわけではありません。決して・・・


    「耳なしウサギのピッカラ」

    ザイフォンという町に、ピッカラという耳のとても短いウサギが住んでいました。

    家族はとてもやさしかったのですが、町に行くと、大人は見て見ぬふり、

    学校では、「や〜い、耳なしウサギ、耳なしウサギ!!」とバカにされました。

    子供はときに残酷なものです。

    心やさしいピッカラは言い返すこともできず、大声で泣くこともできず、

    そして先生に相談することもできず、いつもトボトボと帰りました。


    気分が沈んだ日やすぐにお家に帰りたくない日、ピッカラにはいつも寄り道する森があります。

    ピッカラは歩き始めた小さなころから、その森でよく遊んでいました。

    小さなころからピッカラを知っている森の木や住人たちは、ピッカラの短い耳を

    見て見ぬふりをしたり、からかったりしません。

    それより心やさしいピッカラのことが、みんな大好きでした。

    そこでみんなとお話したり、釣りをしたり、ぼーっと雲を眺めたりして、気分がよくなると

    お家に帰ったりしたものでした。


    つづく・・・
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